生体肝移植時の自立支援医療(育成医療)の効果と申請方法について解説。

8月の末頃、妻がドナーとなって息子へ生体肝移植を行いました。手術は無事成功し術後経過も良好です。

そして先日、その手術代を含む最初の請求書が来ました。

気になる金額ですが、なんと我が家では診断書料の3,240円を含めて総額8,240円のみでした!

診断書料を除くと支払った医療費はたったの5,000円

もちろん公的制度を利用したのですが、以前書いた小児慢性ではなく自立支援医療(育成医療)という制度を利用しました。

今回はその、自立支援医療(育成医療)について説明していきたいと思います。

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自立支援医療(育成医療)とは

まず始めに自立支援医療(育成医療)について説明していきます。

自立支援医療(育成医療)とは身体上の障害を有する児童、現存する疾病を放置すると障害を残すと認められる児童で、確実な治療効果が期待できる場合において、必要な医療を給付する制度です。

対象者は次に挙げる障害のある児童が対象となります。なかには、先天性のものに限る場合や一定の治療に限るものがあるようなので、詳しくは住んでいる自治体の担当部署に確認することをおすすめします。

  1. 視覚障害者によるもの
  2. 聴覚、平衡機能の障害によるもの
  3. 音声、言語、咀嚼機能の障害によるもの
  4. 肢体不自由によるもの
  5. 心臓、腎臓、呼吸器、膀胱、もしくは直腸、小腸または肝臓の機能の障害によるもの
  6. 先天性の内蔵の機能の障害によるもの
  7. ヒト免疫不全ウイルスによる免疫の機能の障害によるもの

胆道閉鎖症による生体肝移植の場合は5番に該当するというわけですね。

ちなみに、似たようなものとして以前記事にした「小児慢性」という制度がありますが、生体肝移植の場合には適用とならないようです。

そのため、自立支援医療(育成医療)の制度を利用するというわけですね。

おそらく、自立支援医療(育成医療)は上で説明したように確実な治療効果が期待できる場合において、必要な医療を給付する制度とあり、これが移植手術に適用されるためだと思われます。

それに対して小児慢性は長期にわたり療養を必要とする児童の健全な育成を目的としているため、退院後の長期的な治療についてはこちらが適用となるのでしょう。

中身はほとんど似たようなものなので利用者にとってはどちらも申請しておけば問題はありません。

申請時の必要書類について

申請時に必要な書類は各自治体によって多少違いがあるかもしれませんが、大体は同じだと思います。

今回はわたしが住んでいる自治体での必要書類を参考として紹介したいと思います。

  1. 育成医療支給認定申請書
  2. 医師の意見書
  3. 健康保険証の写し
  4. 課税状況証明書類等(所得証明書など)
  5. 医療機関への通知の承諾書

これらが必要となってきます。

なお、1番の育成医療支給認定申請書には同一世帯全員のマイナンバーを記入する必要があるのであらかじめ準備をしておきましょう。

また、3番と4番については加入している健康保険の種類により必要な範囲が異なるようですのでお住まいの自治体の担当者に確認するようにした方が良いです。

自己負担の上限額について

自己負担額は原則として医療費の1割負担です。

しかし、上でも述べたようにわたしは医療費の自己負担額は5,000円で済んでいます。

これは、世帯の所得に応じてひと月あたりの負担に上限額があるためです。

そのため、「医療費の1割」と「自己負担上限額」のどちらか低い方を支払えば良いと言うことですね

なお、わたしが住んでいる自治体での所得判定と自己負担上限額については以下の通りとなっています。

  • 生活保護等受給世帯 自己負担なし
  • 低所得者1(市民税非課税かつ収入80万円以下)2,500円
  • 低所得者2(市民税非課税かつ収入80万円を超える)5,000円
  • 中間的所得1(市民税所得割額33,000円未満)5,000円
  • 中間的所得2(市民税所得割額33,000円以上235,000円未満)10,000円
  • 市民税所得割額235,000円以上で疾病内容が重度かつ継続 20,000円

疾病内容が「重度かつ継続」と言われるものは「腎臓機能障害」「小腸機能障害」「心臓機能障害(心臓移植後の抗免疫療法に限る)」「肝臓機能障害(肝臓移植後の抗免疫療法に限る)」ものになります。

また、中間所得1以上の自己負担上限額については平成30年3月31日までの経過的特例措置となっているので注意してください。

自立支援医療(育成医療)の注意点

この自立支援医療(育成医療)ですが注意点があります。

それは申請時に登録した医療機関でしか利用できないという点です。

これは小児慢性の制度と同じですね。

しかし、今回の我が家のように移植を行う医療機関であれば大抵移植コーディネーターという方がいらっしゃいます。

手続き等も含めた総合的なサポートを行ってくれるのでその方の指示に従えば、ほとんど問題ないと思います。

また、もう1つ注意点があります。

これは他の制度等にも当てはまるのですが、差額ベッド代や診断書料等はこの制度の適用外という点です。

当然と言えば当然ですね。

冒頭書きましたが、わたしもこの制度を申請するための診断書料3,240円は別途かかってますからね。

乳幼児医療費助成制度との併用は?

ちなみに、乳幼児医療費助成制度(子ども医療費助成制度)も利用している場合はどうなるのでしょうか。

この場合、自立支援医療(育成医療)の自己負担額と乳幼児医療費助成制度の利用者一部負担金の低い方を支払えばOKです。

なお、乳幼児医療費助成制度は住んでいる自治体以外で治療を受けた場合には一度医療費を全て支払い、戻ってから申請することで差額分が帰ってきます

今回のわたしの場合も、自立支援医療(育成医療)の自己負担分を払っていますが、自宅に戻ってから役所に申請すれば差額分が戻ってくるというわけですね!

以上、胆道閉鎖症の生体肝移植時に利用する自立支援医療(育成医療)について説明をしました。

この制度は胆道閉鎖症であれば基本的に移植時の入院の際に使うもので、移植コーディネーターさんから詳細について説明されます。

なので、実際に行うことになった場合はその病院の移植コーディネーターさんに確認をするのが一番間違いないでしょう。

ですが、概要についてある程度把握しておけば、もし移植となった場合でも金銭面での不安が取り除けるので準備に集中できると思います。

その際はぜひこの記事を思い出していただければと思います。