ついに生体肝移植を実施。とても長い1日となりました。

つい先日、ついに生体肝移植を行いました。

結果を先に述べますと、ドナーの妻、レシピエントの息子ともに手術は成功しました!

息子の方なんかは予定よりも2時間ほど早く終わったので、ほんとに先生達に感謝です。

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手術に向けて

手術日の2日前。職場での引き継ぎを終えて自宅へ戻ったあとすぐに着替えて、あらかじめ用意しておいた荷物をもって車で病院へ向かいました。

夜だったこともあり、3時間半程で病院で用意してくれた住宅へ到着。

その日は明日に備えて早めに寝ようと思いましたが、なかなか寝付けずに結局寝たのは午前1時くらいになってしまいました(笑)

いよいよ手術前日

翌日、目を覚ましたあとに荷物をまとめて病院へ。

手術の前日となるその日は、妻が午前10時から入院のため手続きを済ませ病棟へ向かいます。

ちなみにこの病院、小児病棟と一般病棟の建物が別なので息子と離ればなれになるのがちょっと寂しかったみたいです。

妻の入院手続きが終わったあと、わたしは息子の方へ向かいました。

着いたらちょうどラコールを飲ませ終わったところのようでした。ちなみに息子の食事は術前はこれが最後。

15時にはチューブで直接腸にいれていたラコールも終了となります。

しばらくはいつも通り息子と戯れながら時間を過ごしました。

途中、一段落ついた妻も合流し、術前最後の家族3人の時間も過ごすことができました。

その後、わたしの母と妻の母も到着。2人にも息子の姿を見せたあとに先生から明日の手術について最終説明を受けました。

手術の内容について

手術はレシピエントとなる息子とドナーとなる妻の2つを同時平行で行います。

息子の手術は肝臓の癒着の有無を確認しながら、肝静脈、門脈、肝動脈の血管を切り離して肝臓を摘出。

その後、妻から切り取った肝臓の一部を移植します。

しかし、いくつか問題が。

まず1つは息子の門脈がほぼつまっている状態なので、肝臓を移植しても血流が確保されない可能性があるということです。

ではどうするのかというと、その門脈も入れ換えます。

使う血管は妻の卵巣の静脈とのこと。ちなみに切り取ってもほどんど影響がない部位のようで、その点は少し安心しました。

しかし、もう1つの問題が出てきます。

現在、門脈がほぼ詰まっている状態のため本来通るはずだった血液が別の道をつくって循環しています。

その場合、門脈を入れ換えたとしても十分な血流が確保できない可能性があるというのです。

そのときはその別の道を1つひとつ塞いでいきます。

場合によっては造影剤をいれてどこに血液が流れているのか確認しながら処置をしていくとのことです。

そうやって、肝臓への血流が十分確保されたのを確認したらお腹を閉じて終了となります。

予定手術時間は約12~14時間ですが、門脈への血流がなかなか確保できなければ手術時間はさらに延びる可能性はあるとのことでした。

妻の手術は息子よりも短く、約6~7時間程。

内容としては、上でも説明した通り肝臓の一部を摘出と卵巣の静脈の摘出。そして胆のうの摘出です。

肝臓の摘出する部分は身体の左側の方の一部で、肝臓全体の約16%程。

ちなみに息子の身体に置き換えた場合、同じ月例の標準的な量の7割くらいに相当。

非常にちょうどいい大きさのようでした。

子どもが小さい場合、切り取った肝臓の周りをさらに削ぎ落とす事もあるようなのですが、どうやらその心配はないとのこと。良かった…。

そして、息子の門脈となる部分の卵巣静脈を切り取ってから、最後に胆のうを取り除いてお腹を閉じて終了となります。

ちなみに胆のうを取り除くのは、肝臓を切り取った際に胆のうの神経が途中で切れてしまって胆嚢炎や胆石症などを引き起こす可能性が高いためのようです。

ちなみに胆のうを切り取っても生活への影響はほぼ無いとのこと。息子も葛西手術をした際に既に取り除いてますからね。

このように2つの手術を同時平行で行っていきます。

非常に長い一日となりそうです。

説明を聞いたあとは部屋に戻って明日に備えて休むことにしましたが、なかなか寝付くことはできませんでした…(笑)

運命の手術日当日

いよいよ手術日当日。昨晩はなんとか無理矢理寝付きましたが緊張のせいか3時半に起きてしまい、その後はウトウトしながらも結局起きたまま朝となってしまいました(笑)

その後、準備をしたあと見送りのために朝7時に息子の病室へ向かったら既に妻が。

妻も眠れなかったのかと思ったら「気づいたら爆睡してて、朝は看護師さんが起こしてくれた」とのこと…。

なんと肝が座っていることか…。

この肝臓を移植するのであれば息子もきっと大丈夫ですね(笑)

熱もこの病院に来て初めての36℃台!

体調も万全のようです。先生も来てくれて熱も下がってバッチリですねと太鼓判をもらいました!

そしていよいよ時間となって手術室へ。手術室手前まで夫婦で一緒に見送りました。

その後は妻の病室へ向かって妻の手術の時間まで待ったあと見送りました。

待つ身のつらさ

2人を見送ったあとは、家族待機室の案内を受け、病室に残っている息子の荷物を一度全て回収したりしましたがその後はひたすら待つだけです。

妻の手術で約6時間。息子の手術に至っては約12時間ですからね。

普段、仕事をしているのであれば比較的あっという間なのですが、なにもしてないときの時間の進み方の遅いこと遅いこと…。

ただ、救われたのはわたしの母と妻の母がいたことですね。

色々話をしながら待つことができたので少しは時間を忘れることができたような気がしました。

その後、何回か手術の途中経過の連絡が来ましたが、順調に進んでいるようでした。

そして夕方頃に妻の方の手術が終わったという連絡が!

3人でICUへ向かいます。手を洗い、妻のもとへ。

麻酔は切れており、意識は回復していましたが影響はまだ残っているようでボーッとしている様子。

色々感謝の言葉を伝えたかったのですが、あまり話を聞かせるのも辛そうなのでお疲れさまとだけ伝えて再び待機室へ戻りました。

妻の手術は終わりましたが、息子の方はまだ続いています。

再び待つ時間が続きます。順調に進んでいるとは言え、本当に待つ方には待つ方の辛さがありますね…。

予定としては真夜中の12時前後になるだろうとは覚悟しているのですがそれでも落ち着きません。

待ち疲れてぐったりし始めた頃、待ちに待った連絡が!

ついに息子の手術も終了したとのこと!息子がいるPICUへ向かいます。

手術の結果について

息子がPICUで機器類を繋げている間に、主治医の先生から息子と妻2人の手術の結果について説明を受けました。

まず、妻の手術については大きな問題はなく予定通り終了したようです。

切り取った肝臓の重量は164gで妻の肝臓の約2割弱程。

予定よりは若干多めですがほぼ誤差の程度で妻の体調にも影響はないようです。

また、卵巣静脈についても問題なく切り取ることができたとのことでした。

手術時間はおよそ5時間半。こちらもほぼ予定通りです。

続いて息子の手術についての説明でした。

息子の開腹は葛西手術の時の傷をさらに左右に広げて行ったようです。

腹水はほとんど無かったようで、肝臓と多臓器との癒着もほとんどなかったとのこと。

しかし、門脈は予想通り詰まっていて、そのせいで肝臓の表面に別の血管ができていたようでした。

この場合出血しやすい危険性があるのですが、慎重に処置していただき、肝静脈、門脈、肝動脈すべて切り離して肝臓を摘出。

ちなみに、息子の月齢だと正常な肝臓は約220gなのですが、摘出した肝臓は約340gとおよそ1.5倍にまで肥大していたようです…。

それだけ肝臓が痛んでいたということですね…。

肝臓を摘出したあとは、妻から切り取った卵巣の静脈を門脈となる部分へ置き換えます。

その後、妻から切り取った肝臓の移植を開始。

門脈の詰まりによって出来てしまった血管の遮断を行うと、無事に門脈への血流も回復したようです。

この点が一番の心配事だったので本当によかったです。

その後、肝静脈、肝動脈も無事に繋げることができたとのこと。

最後に、肝臓と小腸を繋いで胆汁の通り道を作ります。

いよいよお腹を閉じて終了なのですが、ここでちょっとした変化が。

肝静脈への血流が肝臓の位置によって変化があるようで、通常よりも少し下の位置で肝臓を固定してお腹を閉じたようでした。

手術時間はおよそ10時間。なんと予定よりも2時間も早く手術が終わりました!

先生達の迅速な処置に感謝しかありません。本当にありがとうございました!

息子との再会

説明が終わるとちょうど息子の機器類の接続も終わったようで、部屋へ案内をされました。

念入りに手を洗ったあと、息子のもとへ。

およそ14時間ぶりの再会です。

葛西手術のときも見てはいるものの、点滴の数の多さにはやはり衝撃を受けますね…。

今回は約20種類ほどの点滴が入っていました。

大抵はCVから入れれるのですが、多すぎる部分は末梢で入れていました。

また、鼻にもチューブが挿入されているのですが、右には胃と腸へのチューブが2本、左には呼吸器のチューブが1本と、これでもかと言わんばかりに挿入されていました。

ただ、その姿を見てもまずは無事に手術が終わったことに対しての安堵の気持ちの方が強かったです。

本当に良かった…!

こんな感じで、今まで一番長いと感じた1日が終わりました。

しかし、手術は成功しましたが、これで終わりではありません。

むしろ、これからが新たな始まりです。

感染症や拒絶反応のリスクは常に付きまとってくるでしょう。

これらのリスクを把握し、乗り越えながら家族で頑張っていきたいと思います。