「息子が胆道閉鎖症に…。父として何ができるか。その2」にて、息子が胆道閉鎖症であったことが確定し、いよいよ手術へ。
無事手術は成功し一先ずは命に関わる事態は無くなったものの、胆道閉鎖症は手術したら終わりではなく、その後生涯に渡って付き合っていかなければいけない病気です。
これからが私達家族の新しい生活が始まっていきます。
ICUから一般病棟へ…
久々に我が家で一緒に寝た妻と私は朝起きた後、すぐに病院へ向かいました。ICUで一晩を過ごした息子ですが、特に何もなければ10時頃には一般病棟へ戻るとの話があったためです。
たった一晩とは言え、手術後とあってはすぐにでも会いたいものですね。
手術前とは病室が変わっており、ナースステーションのすぐ近くの病室に荷物を移動して息子を待ちます。
そして10時半を過ぎた頃、いよいよ息子が戻ってきました。身体には何本ものチューブがつながっており、点滴も4つぐらいはしていたと思います。
先生から、改めて手術の内容についてとその後の様子について説明を受けました。
手術については予定通りの内容で、予め説明していた通りの処置を行ったとのこと。一先ずは胆道閉鎖症以外の更に珍しい病気ではなかったようです。
そして術後の様子についてですが、胆汁はしっかり流れているとのことでした。今は点滴のみでミルクは口にしていないのですが、浣腸をして胆汁が出ているかどうかを確認するのだそうです。
実際に見せてもらいましたが、抹茶のような真緑の液がおむつについており、これが胆汁の本来の色なのだそうです。
この胆汁がミルクや食物と混ざることで茶色に変化するのだとのこと。明らかにウチの息子が前までしていたものとは違いました。
このことが手術は成功したことを物語っていました。ほんとに嬉しく思っていたのですが、先生から気になる言葉が…。
「お腹からの水がかなり多いです。」
どういうことかと思いましたが、息子のお腹の部分をよく見ると肝臓の下辺りから1本のチューブが出ており、床のケースに溜まっています。何の水かと思いましたが先生曰く、肝臓のダメージが大きいと水が出てくるのだそうです。
やはり、2ヶ月を過ぎてからの手術だったため、肝臓は相当なダメージを受けていたようです。
この話を聞いた直後、妻の顔は明らかに後悔の色が滲んでいました。うんちの色に気づいていたのになんでもっと早く医者に連れて行かなかったのか。そんな風に自分を責めているように感じました…。
ただ、この病気の子どもは多少は腹水は出るものなのでしばらく様子を見ましょうとのことでした。
また、ミルクについては1日~2日はまだ飲めませんが、その後は少しずつ飲ませられるようです。しかし、最初は10ccからとのこと。
そんなのあっという間に飲み終わって逆に大泣きしちゃんじゃないかと思いましたが、みんなそうなるようです(笑)
これからが本番
手術は成功しましたが、この病気はそれで終わりというわけではありません。
手術後も長い期間にわたって気をつけなければならない合併症があります。肝臓の中の胆管に細菌感染が生じることによる胆管炎と肝臓に線維が溜まって硬くなり血液の流れが滞って生じる門脈圧亢進症です。
また、手術後も黄疸がなくならない場合や黄疸がなくなっても肝臓が徐々に硬くなるような場合にはやがて肝硬変となり、さらに肝不全に進みます。
その場合は現時点では肝臓移植以外には治療の方法が無いとのことです。
実際、日本の主な小児外科専門施設の最近の成績を総合すると、手術を受けた患者さんの約60%が術後1年目で肝移植を行うことなく黄疸なく生存しているとのこと。しかしそれは残りの40%は肝移植を行っているということです。
40%…。あまりに高い確率です。それでも世界的にトップレベルの成績なのだそうです。改めてこの病気の恐ろしさを感じました。
そのため、肝臓の状態は常にチェックしていかなければならず、定期的な通院によるチェックが必要不可欠となりますが、それは退院した後の話。
まずは術後の肝臓及び黄疸の経過をチェックするのが最優先となります。その為、最低でも1ヶ月。黄疸の症状が無くならなければ3ヶ月以上にわたり入院しなければいけないようです。
せっかく里帰り先から戻ってきて家族3人で暮らしていくはずだったのに、どうして1ヶ月もたたないうちにこのような事になり急遽入院、手術を行うことになってしまったのか。そして手術が成功してもまた長期間入院です。
先が長い話で、流石に疲れが出てきました。特に妻への負担が大きく、無理をしないか心配です…。
父として夫として
妻と息子と私の3人という小さな家族ではありますが、一応私が一家の大黒柱です。
大黒柱として何ができるのか。父として、夫として。息子の病気が分かってからずっと考えていました。
答えは無いのかもしれませんし、時期によって変わってくるのかもしれません。ですが、いまこの時できることは少しでもしていきたいと思います。
息子は術後は体力を消耗したせいか少し元気がなかったのですが、今はかなり元気になってギャンギャン泣いています。ですが、肝臓の状態はまだ定期的に観察している途中で、手放しで喜べる状況では無いようです。
とは言え、もうすぐ3ヶ月となる時期。首もすわりかけていますし、時折笑顔を見せてくれます。目も少しずつ見えてきているようで私の顔をずっと追ってくれます。
まずは今まで通り、目いっぱい可愛がってあげようと思います。
また、平日も仕事終わりはなるべく病院に顔を出し、ミルクやおむつ交換、お薬なども積極的に手伝ってあげて妻の負担を少しでも軽くしてあげたいと思います。
そして、無事退院できたなら3人で近場でもいいのでお出かけをして、普通の家族と変わらない生活を送ることが目下のところの目標となりそうです。
この病気は、生涯に渡ってずっと付き合っていかなければならない病気です。息子が物心ついたときに、自分が他のことは違うということに気づくでしょう。
その際、父としてどんな説明をするのか。非常に難しい問題ですが、それまでに少しでも家族の信頼関係を強くし、家族で乗り越えていけるようにするのが父として、そして夫としての私の役目となりそうです。
「胆道閉鎖症と診断された息子。手術後の経過について」に続きます。
コメント
はじめまして。Shimaと申します。
9ヶ月になる息子がいます。
私も資産運用系のブログを書いているのですが、同年代でパパで、来月にマンションを購入予定と、似たところが多い者としては、こみ上げるものがあります。
奥さんもお辛いでしょうが、砂糖さんもできることからやるとは言え、全てを抱え込まず、家族全員で乗り越えていってほしいなと思いました。
突然すみません。また、読みに来ますm(_ _)m
はじめまして。コメントありがとうございます。
同じジャンルのブログを書いていらっしゃるんですね!同年代としては嬉しいです!
正直このジャンルのブログには合わない内容の記事だったかもしれませんが、あまりに衝撃的だったので自分の気持ちを吐き出す為にも、つい書いてしまいました。
ただ、私としても息子と一緒にしたいことなんかもありますので絶対に乗り越えたいと思います!応援ありがとうございます!
shimaさんもお子さんと奥さんを大切にして幸せな家庭を築いていただけたらと思います。
ぜひまたこのブログに遊びに来てください!今後もよろしくお願いします!